所北トピックス2023
No68 実施報告 理数科体験授業
令和5年11月11日(土)に本校を会場として数学・物理・化学・生物の4分野で理数科体験授業を実施しました。
約90名の中学生とその保護者が来校し、高校での授業の雰囲気を少しだけ体験しました。
いかがでしたでしょうか??
今回実施した授業のテーマは以下の通りです。
数学:虚数への戦略(ストラテジー)
物理:光通信
化学:どこまで続くの? 長~いナイロン
生物:生命の誕生
来年度入学する1年生は理数科9期生となります。
今回は「お客さん」でしたが入学したら授業も部活動も所北の「生徒」になります。
夏の臨海実習や大学・研究機関の実習など準備しています。
もちろん課題研究も2年次と3年次の2年間にわたって実施することができます。
学力検査は傾斜配点です。数学と理科に力を入れて勉強しておいてくださいね。
待っています。
No67 サボテンの花とウニ 生物室の様子
生物室のサボテン(たぶんエキノプシス属)の花が咲きました。
多肉植物であるサボテンはCAM植物なのでCO2固定経路が通常のC3植物とは異なります。
その右はオリヅルランです。
走出枝(runnner)を伸ばして無性的(花と実を経ずに)に増えます。
海水の水槽にはアカウニとムラサキウニとバフンウニとイトマキヒトデなどがいます。
水槽下方に骨格だけになったウニの遺骸は、とある捕食者の仕業ですが、分りますか??
犯人はヒトデです。
No66 海外日本語教師が来校しました。
令和5年11月2日(木)に29ヵ国から41名の海外日本語教師の方々が来校しました。
英語や地理、生物などの授業を通して生徒との交流を行い、放課後には茶道部による茶道体験がありました。
日本語教師の方からは、高校生とお互いの国のことを紹介し合う中で日本の文化を改めて知り、とても勉強になったとの感想をいただきました。
国による違いは多くありますが、共通することもたくさんあります。
本校の生徒にとっても日本以外の国のことを知る貴重な機会となりました。
No65 2学年が修学旅行に行ってきました。
令和5年10月3日(火)から4日間の行程で修学旅行が行われました。
今から4週間ほど前のことですが、生徒の皆さんにとっては遠い昔のようでしょうか。
それとも昨日のことのように思い出せるでしょうか。
1日目は広島県の平和記念公園を訪れ、ガイドから被爆についてなどの話を聞きながら碑巡りをしました。
その後は、クラスごとに代表者が誓いの言葉を述べて平和セレモニーを行い、平和記念資料館を見学しました。
事前に行った平和学習で被爆体験伝承者の話として聞いたことと重なる部分が多くあったので、様々に学び取ることができた貴重な時間となりました。
2日目は、まずは宮島を訪れたあと、広島・神戸を班別研修としてそれぞれ計画した行程で1日行動し、新神戸に集合し、淡路島のホテルへ移動しました。
3日目は渦潮クルーズ、うどん作り、ケーキづくり体験、道頓堀散策など、各自で選んだ体験学習をグループごと行い、クルーズ船でビュッフェ形式の夕食をとりました。
4日目はバスで京都へ移動し、半日散策しました。
連日大きな移動を伴いながらの旅行となりましたが、各地での経験は非常に充実したものとなりましたね。
先日行われた事後学習において、この旅行の思い出を短歌に込めて表現しました。
比喩や体言止め、反復法など、これまでに知り得た様々な技法を駆使して言葉に緩急をつけながら修学旅行中の思い出を綴りました。
修学旅行を終えると、どこか一区切りといった雰囲気がありますが、皆さんの心境はいかがでしょうか。
ぜひ、今回の旅行での経験を糧にして、これからの学校生活に励んでほしいと思います。
No64 早稲田大学生命科学系シンポジウムに参加しました。
令和5年10月28日(土)の午後に、早稲田大学東伏見キャンパスで人間科学学術院生命科学系シンポジウム「脳の不思議と人間の進化」が行われました。
高校生~大学学部3年生くらいを対象にしたこの企画は、未知の脳の働きや人類の進化との関係など、これから大学で神経科学、生物学、医学を学ぼうとしている高校生に刺激を与え、これからの生命科学に興味が持てるような内容でした。
講師を務めるのは各分野の著名な先生方であり、全ての講演は高校生が理解し興味を持ちやすい内容(専門的すぎないように)になるように工夫されていました。質疑の時間などには生徒が積極的に疑問をぶつけていました。
岡山大学の解剖学の川口綾乃先生からは、神経幹細胞とそこから非対称分裂によって分化した細胞の「移動」の話がありました。
動物の細胞ですからニューロンも動くのです。
幹細胞(stem cell)と分化(differentiation)した細胞の違いは分かりますね。
もやっとした生徒は生物室まで来てください。
独協医科大学の脳神経内科医でもあり作家でもある駒ケ嶺朋子先生からは、擬死(死んだふりをすること)や臨死体験、体外離脱、魂の概念などといった人間科学科のコンセプトに合致した内容の講義でした。
先生は早稲田大学の文学部を卒業後に医師になった変わった経歴の先生です。
先生によると右脳の側頭頭頂結合部(そくとうとうちょうけつごうぶ)の不具合で体外離脱の感覚が生じることが実験で示されているようです。
スポーツなどの極限の状況でも自分を上から見ている体験は起こりやいすそうです。
文系だか理系だか医系だかオカルト系だかわからなくなりそうですね。
東京大学理学系研究科の鈴木裕宣先生からはヒトの脳の肥大化とガンになりやすいことは、実は関係があるのではないかという内容でした。
確かにニューロンが増えることとガン細胞が増殖することは共通点がありそうですね。
同じく東京大学理学系研究科の太田博樹先生からは「ヒトの進化と脳の謎~なぜネアンデルタール人のゲノムを調べるの?」という演題で、絶滅した化石人類の説明や骨から縄文人のDNAを抽出する話がありました。
私たちはネアンデルタール人から遺伝子をかなりの割合で受け継いでいるようです。
各先生からはご自身の高校時代や研究職を目指した動機などのエピソードが語られ、生徒が触発されるコンテンツが多くみられました。
世の中には一つのテーマにこだわって、一生をかけて面白がって研究をしている大人がけっこうたくさんいるのですね。
大変ためになったシンポジウムでした。
No63 東京大学 農学部公開セミナー
10月21日は東京大学のhome coming dayでした。
その一環の行事として農学部の弥生講堂一条ホールで公開セミナーが開かれました。
テーマは「GXってなんだろう?」
まずは語句説明
・DXはデジタルトランスフォーメーション・・・デジタル技術で「社会や生活の形を変える」こと
・GXはグリーントランスフォーメーション・・・温室効果ガスの排出削減を目指す取り組みを、社会全体の変革につなげようとする活動
応用生命化学専攻の鈴木道生教授からは、バイオミネラリゼーションつまり生物が鉱物を生体の内外に生成する現象についての講義でした。
いまさらですが脱炭素技術の開発が世界的に重要な課題になっています。
地球上で最も多い炭素の化学形態は炭酸カルシウムであり地球上の存在量の8割が石灰岩中にあるとされています。
何が言いたいかというとその石灰岩の生成の溶剤をほんの少し変動させるだけで大気中の二酸化炭素の挙動が劇的に変化する可能性があるそうです。
真珠を作るアコヤガイが炭酸カルシウムのバイオミネラルのモデルとして紹介されていました。
北海道演習林の尾張敏章准教授からは、広大な演習林を「林分施業法」という手法を用いて持続可能な森づくりの紹介がありました。
樹木の密度や種類・大きさ、天然更新の良否などでいくつかの森林のタイプ(林種)に区分し伐採や造林(施業)を各林種の林分状況に応じて行う手法だそうです。
その森林管理の手法としてDXが進められているとのこと。
それは眼を見張るものがあり、例えば、地理情報システム(GIS)、全球衛星測位システム(GNSS)、レーザー計測(LiDAR)、無人航空機(UAV)ドローンなど、林業は最先端技術によって支えられているようです。
暗くなりましたが安田講堂前で記念撮影を撮りました。
一条ホールは一条工務店が作ったそうです。
木のぬくもりが感じられる会場でした。
農学部関連のイベントとして、
ハチ公生誕100周年(農学部公開セミナー特別企画)「ハチ公学〜ハチから広がる学の世界〜」
が11月4日に行われます。
会場は東京大学農学部1号館2階 第8講義室(第「ハチ公」義室とのこと)
受講希望者は生物室まで申し出てください。
No62 東京大学金曜講座 受講報告
10月20日(金)の講義は学際科学科の舘知宏教授による「折る・詰む・編む かたちがつなぐSTEAM協働」でした。
先生は、小学生の頃に折り紙作家の前川淳さんによる『悪魔』から影響を受け、折り紙や建築に興味を持ち形態(かたち)と機能(はたらき)の関係を理解したいと考えるようになったそうです。
機能から形態を導き出す作業は「設計」です。
逆は「かたちをよむ」でしょうか・・・適切な述語が思いつかないのですが。
「折る」とか「しわを作る」とかは日常にありふれています。
紙や布を折ったり服の袖にしわが寄ったり焼き魚の皮が身が縮むことでしわで模様ができたりします。
昆虫が羽化するときに縮まっていた翅が広げられたり、ヒトの大脳の表面のしわもその例として挙げられます。
1枚の紙から、しわを利用して立体にするのが折り紙といえるでしょう。
小学校の図工の延長に数学(幾何学)や建築学や美学があるそうです。
タンパク質もアミノ酸の鎖(線状)から自発的に立体構造を作り細胞の構造に寄与し機能を担っています。
https://www.youtube.com/watch?v=vwFhqnGAyxM
舘先生の動画を紹介しておきます。
きっとビックリしますよ。
ぜひ見てみましょう。
次回「多角的に史実を見る:北アフリカ植民地史研究の現場から」
講師:渡邊 祥子(東京大学 東洋文化研究所 西アジア研究部門・准教授)
以下講義概要です
この報告では、第一次中東戦争(1948─49年)の際のチュニジア人義勇兵運動を題材に、チュニジア・ナショナリスト指導者の視点、 フランス・イギリス当局の視点、義勇兵たちの視点からどのような史実が見えてくるか検討する。
民地史研究で用いる多様な史料を紹介し、歴史を研究する楽しさと難しさを学ぶ。
世界史選択でなくてもイスラエルとパレスチナの紛争について理解する一助になるかもしれません。
【ご案内】県立所沢北高等学校学校公開について
保護者の皆様
地域の皆様
日頃より本校の教育活動にご理解、ご協力を賜り誠にありがとうございます。
さて、本校では、添付資料のとおり授業公開を実施いたします。
保護者・地域の皆様にご覧いただければ幸いです。
つきましては、ご多用の折とは存じますが、ご参観いただきたくご案内申し上げます。
No61 東京大学One Earth Guardians公開シンポジウムに参加してきました。
10月7日(土)に、東京大学本郷キャンパスで開かれた「ネイチャーポジティブな未来へ ~人の暮らしと生物圏の折り合いをつけるためには~」をテーマにしたシンポジウムに参加してきました。
モデレーターは東京大学大学院農学生命科学研究科教授の髙橋 伸一郎農学博士でした。
この活動は、東京大学農学部の取り組みでOne Earth Guardians育成プログラムという活動の一環で行われました。
人類は700万年前にチンパンジーなどとの共通祖先から別れて以来、微生物、植物、動物、鉱物、水など地球上のあらゆる「もの」を利用して生きながらえてきましたが、ヒトを含めた生物の共存共栄のため、かつて地球上の生物資源を利用することで起こした問題を俯瞰的に洗い出し、解決していくことが「農学」の使命だそうです。
その問題解決を「人間中心」に考えていいのか。
例えば、トキや希少生物は絶滅させないようにするが、天然痘やコロナのウイルス(ウイルスを生物ととらえていいかは議論がありますが)は根絶させていいのか。
ヒトの立場でホモサピエンスが永続するような方針で地球の環境を考えていいのか。
などなど自分事として考えて行動する必要があるとのことです。
分からないから、迷っているから、じっくり考える。
自分の狭くて浅い考えでは解決できないので調べる学ぶ、まず巨人の肩の上まで登りましょう。
少なくとも登る努力をしましょう。
そうすれば登ろうとすると見える風景も変わるかと。
写真は会場での様子です。
参加した全員が意見を表明しました。
後ろに立っている方がモデレーターの髙橋先生です。
過去にはNHK高校講座の生物基礎に出演していた方です。
2週間後の21日には農学部公開セミナーが予定されています。
中間考査の真っ最中ですが、希望者は生物室前の名標に名前を書いてください。
No60 東京大学 金曜講座 受講報告
10月6日(金)の金曜講座は、総合文化研究科准教授の松井裕美先生による講義でした。
テーマは「フランス美術を通して知る西洋の文化・歴史・思想」ということで、19世紀や20世紀の主にフランス絵画をふんだんに用いた資料も準備されていました。
世界史選択の生徒など資料が欲しい場合は申し出てください。
講義では、まず美術史についての話がありました。
「どの作品に価値があるのか」という品定めではなく、「なぜその作品に価値が認められるようになったのか」という価値形成の変遷と要因の分析が大切だとのことです。
例えば、第二帝政期の普仏戦争の勃発やパリ・コミューン結成の直前に、古い貴族の仮装をして野外で食事する男女の様子を印象派風に描くことで何を伝えたかったのかであったり、狩りのいでたちを描写し、髪をなびかせることで何を暗示したかったのかなどの視点から、画家が伝えようとしている「何か」にどのような歴史的・社会的・政治制度的背景があるのかを読み解くのだそうです。
んーなかなか深いですね
次に西洋から見た憧れの東洋、魅惑のオリエントという話題がありました。
東方の世界を理想化し、変化のない・時間のない永遠の習慣と儀式の世界としてオリエントは描かれているそうです。
西洋人あるいは男性性がその支配への欲望を見透かされないようにニュートラルに描かれていると解釈できるのだそうです。
んーこれも深い読み解きですね。
浮世絵や日本画家とのつながりについても触れていました。
黒田清輝は法律家を目指してフランスに留学後画家に転向した教育者・美術行政家です。
黒田自身の作品や印象派との関連あるいは浮世絵との類似性など、どちらがが「本家」か「本歌取り」はどこまでさかのぼれるかという面白い問題提起でした。
美術史を学ぶことは、19〇〇年に何が起こって、どのような人物や仕組みがどのように変遷したかという、年代や固有名詞を明らかにすることが最終目的ではなく、その時期に特定の背景を持った人物が、ある顕著な特徴を持った絵画・作品を制作したことの「歴史的な意味」について考えを広げることが大切なようです。
現代美術はよくわからないと言われますが、その問いに松井先生は「答えではなく問を引き出すから」と答えました。
詳しく知りたい人は、
”現代アートはどうして難しいの?→松井裕美|素朴な疑問vs東大”
上記の検索ワードで探してみてください。
https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/features/z1304_00210.html
講義を受けながら、わたしは小学生の低学年の頃にテストのプリントだったかと思いますが、裏の白紙に戦車の絵をずっと描いていたことを思い出しました。
あの時のわたしは何を思い、何を表現したかったのでしょうか。今となっては謎ですね。