所北トピックス2023
No49 県立高校学際的な学び推進事業“地域創生研修”に参加しました。
8月23日(水)、県立高校学際的な学び推進事業の地域創生研修に、本校の生徒4人が参加しました。
この日、彼らは千葉県のいすみ市役所といすみ鉄道を訪れ、住みたい田舎ランキング1位常連のいすみ市の地域創生戦略について熱心に探求しました。
いすみ市の取組について、市の職員の方々から直接貴重な知識を得ることができました。
また、いすみ鉄道では実際に列車に乗車しながら社長の熱心なプレゼンテーションを聞く機会があり、地域の発展に向けた独自のアプローチや展望について深く学ぶことができました。
生徒の感想の中に「人口推移等のグラフに数学の知識が応用されており、自分の好きな数学が現実の社会でどれほど役立つのかということに感銘を受けた」という内容がありました。
学校の教育内容と現実社会との結びつきを、実際の体験を通じて生徒自身が気づく貴重な学びの場となりました。
これらの学際的な経験は、将来の社会で求められる力を養う上で不可欠なものであり、今後も生徒にこのような機会を提示し続けていきたいと思います。
No48 生物オリンピック予選 結果報告
令和5年7月16日(日)に本校を会場にして日本生物学オリンピック2023予選が行われました。
その結果が届き始めましたので一部紹介します。
全国から3,255名の受験者があり本校からは14名が挑戦しました。
その中から3年生の理数科の男子生徒が117位の成績で上位5%に入り、優秀賞が贈られました。
さあ来年に向けて学習し始めましょう。
テキストはCampbell Biologyです。(版が多少古くても大丈夫)
「1・2年生保護者進路講演会」の開催について
初秋の候、保護者の皆様には益々ご清祥のこととお喜び申し上げます。
日頃、本校のPTA活動にご理解ご協力をいただき誠にありがとうございます。
さて、下記の資料のとおり令和5年度保護者進路講演会を開催いたしますので、ご案内申し上げます。
No47 慶応大学GSCキックオフミーテングに参加してきました。
グローバルサイエンスキャンパス事業(GSC)とは、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が支援している事業の一つで、慶応大学では「医学・医療への第一歩 努力は天命さえも変える」というコンセプトの下もとで実施されています。
今年度もキックオフミーティングが大学病院に隣接する信濃町キャンパスの総合医科学研究棟で行われ、本校の参加者は対面とオンラインで参加しました。
当日の講演のうちの一つは、慶應義塾大学医学部大学院医学研究科の石井・石橋記念講座(拡張知能医学)教授で、国立研究開発法人理化学研究所の情報統合本部、先端データサイエンスプロジェクトプロジェクトリーダー、開放系情報科学チームチームリーダーである桜田一洋先生によるもので、「AI 時代の医療から未来の社会を考える」というテーマでした。
桜田先生によると、現在の人工知能AIである第3世代は機械学習ベースであり、今後は第3.5世代の基盤モデルなるものに移行しつつあるそうで、第4世代には人間の自然知知能に基づいたAIになるそうです。
この基盤モデルによる医療の支援によって、臨床上の意思決定の半自動化が可能になるとのことです。
さらに拡張知能医学についても説明がありましたが、んー正直に言って話を聞いただけでは理解しきれませんでした。
つるんと直ぐに分かってしまうことはつるんとすぐに忘れますし、知的パフォーマンスが向上するとは思えません。
うんうん唸って考えて理解したときは嬉しいし、自分のものになります。
分からない、説明したい、知りたいという内なる好奇心から研究者は研究を続けます。
そんな大人がたくさんいます。
皆さんも、うんうん唸って考えて考えて、今より成長した自分に会いたくないですか??
学習することは変わることです。
変わることは辛いですが楽しいですよ。
最後は他校の生徒と「生成AIとの付き合い方について 利点と欠点」のグループ討論を行い、解散となりました。
写真の背景の肖像画が誰かわかった生徒は生物室まで来てください。
豪華景品はないですがプレゼントを用意しています。
No46 日本科学未来館で脳科学の講座に参加してきました。
8月26日に江東区のお台場の未来館でに日本神経科学学会主催の市民公開講座「脳科学の達人2023」が開かれました。
プレゼンターは4人の先生方
毛内拡先生(お茶の水女子大学)
中島美保先生(理化学研究所)
小黒ー安藤麻美先生(エクセター大学/東京理科大学)
五十嵐啓先生(カリフォルニア大学)
懇意にさせてもらっている3人目の麻美先生は所沢市出身で、大学までは理論素粒子物理学を学んでいたそうです。
大学院から生物環境適応学に移り東京大学卒業後はカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)やユトレヒト大学医学センター(UMC Utrecht)で自閉症などの精神疾患や発達脳科学の研究を進めました。
現在はイギリスのエクセター大学の医学部で活躍されています。
講座の中では、専門的な見地から研究の一端について話があり、高校時代の数学の定期テストで100点満点の5点を取ったことがあるという「黒歴史」も披露していました。
自分を信じて好きなことをトコトンやる、粘り強く突き詰めることが大切なようです。
写真は当日のチラシと未来館で買ってきた理化学研究所のTシャツです。
No45 東京理科大学神楽坂キャンパスで細胞培養と微生物培養の実験を行ってきました。
8月24日(木)は、ニワトリ胚からの心筋や骨格筋の細胞の採取と培養実験の2日目でした。
指導していただいたのは客員教授である松田先生でした。
一般に細胞培養ではペトリ皿で培養するので、通常の顕微鏡ではなく倒立顕微鏡を使います。
しかし、このタイプの顕微鏡は高等学校には無いことが普通です。
高校で実施する場合は、この課題をどう克服するかが課題です。
翌日の25日は、乳酸菌などの細菌を使って「薬味」や「金属」や「紫外線」などの殺菌作用を調べる実験を行いました。
このプログラムではTA(ティーチングアシスタント)として2人の本校卒業生が手伝っていました。
3番目の写真の右端の2人、現在は理学部の数学科と化学科の2年生です。
先の話ですが、
10月28日(土)と11月12日(日)に工学部の工業化学科と創域理工学部の電気電子情報工学科の「高校生のためのサイエンスプログラム あなたも一日大学生」が予定されています。
それぞれ葛飾キャンパスと野田キャンパスです。
教室に案内掲示を貼りますので希望者は申し込んでください。
いつも言っていることになりますが…
みなさんが中学生の時、高校での生活や部活動の様子は分かりにくかったのではないでしょうか。
だから高校に行って、実際に体験することが大切なわけです。
同様に、大学での生活や大学での講義・実験の様子を想像はできても実際のところは分からないことが多いものです。
だったら、実際に行って、見て、聞いて、体験してきましょう!
中学校より高校、高校より大学、どんどん世界は広がっていきます。
No44 東京大学 本郷キャンパスツアー実施報告
8月23日(水)に1年生と2年生の希望者45人が参加し、東京大学本郷キャンパスツアーを行いました。
対応してくださったのは現役東大生32名でした。
パネルディスカッションや研究室訪問、さらに図書館見学とモチベーショングラフを用いてのワークショップなど、滅多にできない貴重な体験をしてきました。
充実したプログラムも去ることながら、やはり年齢や話法が近い学生さんと触れ合ったことで、生徒達は様々な刺激を受け、触発されたようです。
訪問研究室は以下の通りです。ご対応、ご協力くださった研究室の先生方、ありがとうございました。
1 理学部 大学大学院理学系研究科 化学専攻生物有機化学教室
2 教育学部 教育学研究科 附属 発達保育実践政策学センター(Cedep)
3 工学部 大学院工学系研究科 研究科長・工学部長 システム創成学専攻
4 農学部 農学生命科学研究科 応用動物科学専攻高次生体制御学講座
5 理学部 大学院理学系研究科生物科学専攻
6 文学部 人文社会系研究科・文学部 中国思想文化学研究室
7 文学部 イスラム学研究室
8 文学部 倫理学
9 文学部 美学芸術学研究室
訪れた工学部の研究室は、なんど工学部長の先生の部屋でした。
貴重な資源を南鳥島のレアアース泥から取り出すことで脱中国依存できるのではないかとの話しでした。
資源をめぐっての争いを無くして、ノーベル化学賞と平和賞のダブル受賞を目指しているそうです。
学部長から熱いメッセージをもらいました。
安田講堂の前の集合写真で水色のTシャツを着ている方々が東大生です。
No43 2学期が始まりました。
いよいよ2学期がスタートしました。
始業式が行われ、校長先生のあいさつ、生徒指導部からの話に加えて、部活動の表彰、ニュージーランド研修や学際的な学び研修の生徒による報告がありました。
誇らしく賞状を受けとる姿や、生き生きと研修報告をしている生徒の姿から、所北生にとって、この夏がいかに充実いていたかを感じ取ることができました。
みなさんもきっと、夏休みにしかできない貴重な経験や体験を得ることができたのではないかと思います。
さて、2学期は文化祭をはじめ、特にイベントが多い時期となります。
逆に言えば、みなさんの活躍、新しい発見のチャンスが多くあるということでもありますので、機会を捉えて、ぜひ、色々なことにチャレンジしてほしいと思います。
No42 ”広告クリエイター研修”で学際的な学びを
8月18日(金)、本校の生徒15名が株式会社電通で行われた「県立高校学際的な学び推進事業”広告クリエイター研修”」に参加しました。
7月にオンラインで行われた「言葉と広告」と題した研修の続編です。
埼玉県内から集まった約40名の生徒とともに、4〜5人のグループに分かれ、アイスブレイクを通じて交流を深めた後、消しゴムの15秒CM案をチームで創り上げることに挑戦しました。
アイデアを絞り込み、最終的に劇として表現することで、独自のCMを完成させました。
アイデアの想像過程を通じて、広告制作の一端を実践的に体験し、自らの発想と表現力を養う貴重な機会となりました。
学問は、最初から国語や数学、歴史などに分かれていたわけではありません。
学校では便宜的に教科に分け、文系や理系を区別しているだけです。
社会に出ると正解のない問題や対策が複数ある課題などのほうが一般的です。
学際的な取り組みはまさに総合力が試される分野です。
これから必要とされる「生き抜く力」です。
多様なステージで様々な取り組みを行い、自分も気が付いていない可能性や適性について考えてみませんか??
いつも言っていますが適性はやりながらでしか開花しません。
失敗を恐れず、走りながら考えましょう。
No41 遺伝子組み換え実験を行いました。
今年の夏も東京大学農学部の指導の下で遺伝子組み換え実験等の季節がやってきました。
8月7日(月)から9日(水)までの3日間、川越高校、川越女子高校、松山高校の生徒と共に東京大学農学部の後藤康之教授の指導の下で大腸菌を使った遺伝子組み換え実験を行いました。
この実験プログラムはアメリカのAMGEN財団の支援で行われています。
内容はざっと以下の通りです。
まず、マイクロピペットの使い方を学んで習得します。
この操作ができないと今後何もできません。要習得となります。
次に、2種類のプラスミド(細胞分裂した新たな細胞に引き継がれるDNA分子のこと)を用いて赤い蛍光色素の遺伝子を持つ新たなプラスミドを作成します。
用いる酵素は制限酵素(ハサミのようなもの)とDNAリガーゼ(接着剤のようなもの)です。
これを電気泳動装置を用いて確認します。
確認ができたら大腸菌(コンピテントセル)に導入し、37℃で一晩培養します。
さあ、ドキドキワクワクの夜が明けて、うまく導入できていれば、その菌体は赤く見えます。
ここから、更に赤く光るたんぱく質を精製します。
陰イオン交換クロマトグラフィーでタンパク質の分離を行い、大腸菌を壊した後に遠心分離し上清を用います。
このような作業を通して、例えば大腸菌にヒトのインスリンを作らせ、精製します。
大腸菌にとってはいい迷惑な話です。
でも不思議ではないですか?
原核生物である大腸菌がヒトのインスリンを生成できるのです。
このことから何が言えるでしょうか。
質問があれば生物室まで来てください。
教科書に載っている比較的わかりやすい手順の実験ですが、実際にやってみると意外とうまくいきません。
なぜうまくいかないかを考えるのも勉強です。
頭で分かっていることを、実際にやってみることで深まるものはたくさんあります。