No184 ものつくり大学特別公開講座と東京理科大学坊ちゃん講座に行ってきました
ものつくり大学特別公開講座と東京理科大学坊ちゃん講座に行ってきました。
12月20日の金曜日に大宮ソニックシティの市民ホールでものつくり大学公開講座が開かれました。JAXAのシニアフェローの川口淳一郎氏による「やれる理由こそが着想を生む」と題した講演は格言やオヤジギャグなどを取り混ぜて興味深い話でした。川口さんは東映映画の「はやぶさ 遥かなる帰還」で俳優の渡辺謙が演じたプロジェクトマネージャーのモデルになった方です。既に後塵を拝しているアメリカやロシアとの宇宙開発競争において同じニッチで戦っても勝ち目はない。そこで小規模でも何かを持ち帰る戦略でいこう。そうすることによって米ロと協力した場合でも存在感を示せると考えたそうです。
大宮ソニックの会場 | 東京理科大学 神楽坂キャンパス2号館 |
翌21日(土)の坊ちゃん講座は 理工学部 土木工学科 木村吉郎 教授による「風を工学する」と題した講義でした。まず土木と建築の違いは対象が社会基盤と建物の違いであるという話から始まりました。風とつり橋の専門家である先生は明石海峡大橋の全橋模型の風洞実験に関わったとのこと。ちなみに明石海峡大橋はスパン(橋のひと跨ぎの距離で技術的困難さの程度)が1991mで、世界最長だそうです。
個人的に面白かった話は、大学の4年次に配属される研究室は希望がかなわなくても気にしなくていいそうです。じゃんけんで負けて第一希望ではない研究室にまわされても、そこからその研究分野の研究者として大成したケースを少なくとも3例ご存知だそうです。これまで言ってきているように、適性や才能はやりながら開花するのです。確固たる自分に向いている学問分野があるわけではなく、めぐりあわせで研究を始めれば自分すら知らなかった自分の適性が立ち上がることもあるのです。君たちもこれまで小・中学校や塾や習い事で多くの先生から影響を受けて出来上がってきたはずです。両親からの働きかけもあったでしょう。その中で、試行錯誤しながら自らを形成してきたのです。これからもどのような出会いがあってどのように変化するかは自分も含めて誰にもわかりません。ただ出会いのチャンスを増やすと可能性の幅を広げることができるとは言えるでしょう。どのような人と出会うかは、自分次第です。
年明けの1月10日(金)の東京大学金曜講座は心理学です。主に文系志望者諸君は今のところ予定が無ければ新たな予定を入れないように。理系志望の諸君も心理学では医学的なアプローチもできますからね。出会っていなかった自分の可能性と出会えるかもしれませんよ。
理数科部