No17 東京大学金曜講座&東京理科大学坊ちゃん講座
先週、5月19日(金)の金曜講座は東京大学生産技術研究所の芦原聡教授による「美しい赤外光」のもつ可能性:分子を観る・操る、という話でした。
まずは光のお話から。
この世で最も速いとされる光の速さは秒速30万Kmですね。
1秒間で地球を7周半、地球から月まで2秒もかからないとかは聞いたことあるのではないでしょうか。
光は健康維持管理にとって大切な要素であり、現代では光通信や光ファイバーなど様々な技術に利用されており、人間が生きていくためになくてはならないものです。
光については紀元前の大昔から多くの学者に研究され、今では教科書にも載っている必須の知識となっています。
最近では17世紀にはイギリスのニュートンが「自然光(白色光)はプリズムで七色に分けられる」ということを発見しましたが、七色のうち、一番曲がりにくいのが赤、曲がりやすいのが紫だそうです。
この赤から紫までの光をまとめて可視光といい、赤い光の外側にも実は光があるのです。
おかしいと思いませんか?
見えない光をどうやって発見したのでしょうか。
これについて、ドイツのハーシェルが光と熱の関係について研究していました。
プリズムに分けた光に温度計をあて、どのくらい温度が上昇するかを確かめたところ、同じ条件では赤い光が最も温度を上昇させることを発見しました。
ハーシェルはさらに実験を行います。
プリズムに分けた光の外側にも温度計をあて、温度変化を測定したところ、赤い光の外側の温度が上昇するということから「目には見えないが、熱を伝える光がある」ことを見出したのです。
これが赤外線の発見です。
見えないものを見たのですから、んーすごい!
芦原先生、ありがとうございました。
生産技術研究所では「駒場リサーチキャンパス公開」が行われます。
希望する生徒が6月10日にうかがう予定です。
続いて、5月20日(土)は東京理科大学坊っちゃん講座がありました。
理学部第一部数学科の木田雅成教授による「√2が無理数であることを背理法を使わずに証明する」という講義でした。
ユーグリットの互除法から連分数を導き出し、近似分数に直して実数を連分数展開するという内容でした。
…難しいですね。
何を言っているかわからない、という生徒は生物室まで来て下さい。
数式を書かないと説明できません。
ちなみに円周率πは7分の22という分数でかなり正確に近似できるそうです。
近似値といえば小数で表すことがよくあるのですが、分数で表すこともあるそうです。
数学の面白さ、不思議さを感じた興味深い講義でした。
この回は本校の卒業生で理学部数学科の2年生が学生ボランティアで関わっていました。
Zoomの画面ごしでしたが、卒業生の元気な顔が見られてうれしかったです。