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No41 遺伝子組み換え実験を行いました。

今年の夏も東京大学農学部の指導の下で遺伝子組み換え実験等の季節がやってきました。

8月7日(月)から9日(水)までの3日間、川越高校、川越女子高校、松山高校の生徒と共に東京大学農学部の後藤康之教授の指導の下で大腸菌を使った遺伝子組み換え実験を行いました。

この実験プログラムはアメリカのAMGEN財団の支援で行われています。

 

内容はざっと以下の通りです。

まず、マイクロピペットの使い方を学んで習得します。

この操作ができないと今後何もできません。要習得となります。

次に、2種類のプラスミド(細胞分裂した新たな細胞に引き継がれるDNA分子のこと)を用いて赤い蛍光色素の遺伝子を持つ新たなプラスミドを作成します。

用いる酵素は制限酵素(ハサミのようなもの)とDNAリガーゼ(接着剤のようなもの)です。

これを電気泳動装置を用いて確認します。

確認ができたら大腸菌(コンピテントセル)に導入し、37℃で一晩培養します。

さあ、ドキドキワクワクの夜が明けて、うまく導入できていれば、その菌体は赤く見えます。

ここから、更に赤く光るたんぱく質を精製します。

陰イオン交換クロマトグラフィーでタンパク質の分離を行い、大腸菌を壊した後に遠心分離し上清を用います。

このような作業を通して、例えば大腸菌にヒトのインスリンを作らせ、精製します。

大腸菌にとってはいい迷惑な話です。

でも不思議ではないですか?

原核生物である大腸菌がヒトのインスリンを生成できるのです。

このことから何が言えるでしょうか。

質問があれば生物室まで来てください。

教科書に載っている比較的わかりやすい手順の実験ですが、実際にやってみると意外とうまくいきません。

なぜうまくいかないかを考えるのも勉強です。

頭で分かっていることを、実際にやってみることで深まるものはたくさんあります。