バイオテクノロジー実験を実施しました(8月5日~6日)
8月5日~6日の二日間にかけて、特別講座「遺伝子組換え実験」を実施しました。
例年に引き続き東京大学農学部より講師の先生方をお招きしての学びの場です。
また、世界的なバイオ製薬企業であるアムジェン社の財団(Amgen Foundation)より、本格的な実験機器や試薬をご提供いただき、大学研究室のように実践的な実験環境のもとで学ぶ貴重な機会となりました。
川越女子高等学校・松山高等学校からも希望者が参加し、学校の枠を越えてのバイオテクノロジーへ挑戦です。
実験では、目的のタンパク質を大腸菌に作らせ、それを精製することをテーマに取り組みました。
「大腸菌」を使った実験と聞くと、不安に感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、今回使用した大腸菌は安全性の高い株であり、病原性はありません。
また、万が一でも実験室から出ないように細心の注意を払って取り扱っています。
さらに、使用した培地やマイクロチューブなどの実験資材は、終了後にすべて「オートクレーブ」と呼ばれる高温高圧滅菌装置で滅菌するなど、適切な安全管理を行いました。
実験では、生徒たちが高度な遺伝子操作を一つ一つ手作業で進めました。
「班のみんなで話し合って」と繰り返し声を掛けられ、生徒たちは疑問点や考えを積極的に共有しながら実験を進めていました。
また、マイクロピペットの操作も実験前に何度も練習を重ね、わずか数マイクロリットルの液体をマス目を印刷した練習シートの上に慎重に滴下し、水滴の大きさが均一かを班員同士で確認し合う姿が見られました。
誤差やコンタミネーション(汚染)が生じないよう、一つ一つの操作をしっかり覚えていきます。
生物の先生から「マイクロピペットが利き手の一部に感じるくらいに集中して!」と鼓舞されながら真剣に取り組みました。
今回の実験は、次のような流れで進められました。
遺伝子の切り出し
「はさみ」の役割を果たす制限酵素を用いて、目的の遺伝子を切り出します。ベクター(運搬役)への組込み
目的遺伝子を運ぶ「プラスミド」と呼ばれる環状DNAを同じ制限酵素で切断し、目的遺伝子を組込みます。大腸菌への導入・培養
組み換えたプラスミドを大腸菌へ導入し、一晩培養して増殖させます。
その後、培地の組成によって、目的のプラスミドを取り込んだ大腸菌を選別します。タンパク質の抽出・精製
増殖した大腸菌が作り出した目的のタンパク質を抽出し、精製しました。
遠心分離機や電気泳動装置の使い方も講師の先生に見守られながら生徒自身が行いました。
実験操作の連続でしたが、生徒たちは最後まで集中して取り組んでいました。
学校の授業ではなかなか体験できない、大学研究室レベルの高度な設備や実験手法に直接触れた二日間となりました。知識を学ぶだけではなく、生命科学の最前線で行われている研究を実際に体験することで、生徒たちは科学への理解を一層深めることができました。
最後になりましたが、ご多用の中、生徒たちの知的好奇心に寄り添い、専門的な知見から熱心にご指導くださいました東京大学農学部の先生方、ならびに貴重な実験環境をご提供いただきましたアムジェン財団の皆様に、心より厚く御礼申し上げます。