ブログ

所北トピックス2022

No55 次年度に向けた探究活動のテーマ設定に関する職員研修を行いました

令和5年3月29日に、東京大学生産技術研究所から教授等を招いて、探究活動のテーマ設定に関する職員研修会を行いました。

他校から参加した7名を含めて40人ほどが講師役と生徒役(10班)に分かれて2時間ほど活動となりました。

このプロジェクトは「総合的な探究の時間」に役立てようと東京大学生産技術研究所(ONG)がSTEAM型探活動として開発し、昨年の夏から理系文化部や理数科の生徒を対象にして実施していたものです。

ワークショップ(WS)と呼ばれるアクティビティの内容は、7回に分けてアクリル板と付箋を使い、個人ワークとグループ共有を繰り返し、内省を深めていくというものでした。

このグループ研究の成果物は、今後、校内外で発表する方向で検討しています。

令和5年度は1・2年生の普通科16クラスで時期をずらして実施することが予定されており、これまで行ってきた「総合的な探究の時間」での経験も踏まえながら完成度の高い探究活動になるよう工夫を続けていきます。

 

No54 慶応大学医学部GSC 放射線講演会に参加しました

3月19日(日)に、慶応大学三田キャンパスにおいて、放射線と遺伝の関連について学習してきました。

4つの講演は以下の通りです。

講演Ⅰ 国際機関による遺伝性影響に関する記述の歴史と理解
     山口一郎 国立保健医療科学院 上席主任研究官
講演Ⅱ 放射線被ばくによる人体影響のメカニズム
     藤井博史 日本アイソトープ協会 常務理事
講演Ⅲ 放射線被ばくによる遺伝性影響の見方と考え方
     三谷啓志 東京大学 特命教授 
講演Ⅳ 遺伝性影響を含む放射線影響研究における論理と課題
     岩崎利泰 電力中央研究所 研究参事

生徒達は臆することなく講師に質問し理解を深めていました。遺伝現象や生命現象、エネルギー問題など多方面に発展・応用できるテーマでした。

No53 東京理科大学 松田良一先生の最終講義を受けてきました

松田先生の最終講義は、東京大学の教授を退官される際のものと今回の東京理科大学のものとあわせて2回の「最終講義」になるそうです。

多くの業績があり、熱のこもった最終講義でしたが、箇条書き的に要約させていただきます。

①曹洞宗下山田 眞福寺に宗教二世として生まれ住職もこなす先生は仏陀が今、生きていれば生物学か天文学あるいは物理学を専攻するのではないかと考えているそうです。

②東京大学に評論家の立花隆を非常勤講師として招聘し総合科目・応用倫理学ゼミを開講しました。ゼミの出身者の中には作家や記者、編集者になった方も多いそうです。

③高校生のための金曜特別講座は学校完全五日制が始まった2002年から開講されています。「東大入試を経ていない生徒は相手にしない」との異論もあったそうですが、現在は新型コロナの疫病蔓延防止のためZoomで継続しています。全国の15%ほどの高校が配信を受けているとのこと。

④理科大に移ってからは「坊っちゃん講座」と微生物実験や細胞培養実験などの生徒と「教員向け実験講習会」を実践しています。今回の疫病が流行る前は生徒と共に「金曜講座」と「坊っちゃん講座」と「実験講習会」に対面で参加していました。

⑤この3月まで国際生物学オリンピックの議長をされています 2022年度はアルメニアでしたが新型コロナ感染症の影響やロシアの軍事侵攻などで問題山積だったそうです。

⑥若い時の経験と教育は人生を変える とおっしゃっています。その他、筋ジストロフィーの研究など業績は尽きません。

最後は 「何れの行も及び難く 力尽きて終わる身なり」 親鸞の言葉を残されました。

 

 

No52 明治大学生田キャンパスにて学会発表

理数科2年4組生物班が「課題研究」の成果発表として、3月18日土曜日に明治大学生田キャンパスにて学会発表を行ってきました。

今回参加させていただいた「日本動物学会 第75回関東支部大会」は、動物をテーマに研究していれば参加できるため、研究者、大学関係者、他校の生物部の方々に見てもらう良い機会となりました。

課題研究は、自らが興味を持っていることからテーマを設定し、チームで1年間研究を行います。

生物2班のテーマは、【分裂後のプラナリアの学習実験】です。

切っても切っても再生するプラナリアは多くの研究がなされていますが、分裂前と分裂後の学習に着目して研究を行いました。先行研究も参考にしながら、独自の研究デザインを作成することから始まり、多くの失敗と試行錯誤を繰り返した1年間でした。

学会発表は、この1年の研究活動に対して専門家の意見を頂戴することができ、また、他校生徒との交流もできて大変有意義な時間になりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

No51 理数科サイエンスセミナー

3月14日(水)に埼玉大学 教育学部 西澤由輔 准教授(数学分野)を招いて、理数科の1年生・2年生を対象にしたセミナーを実施しました。

はじめに、大学で数学を研究することとはどういうことか、数学の研究者に必要な資質は何か、研究者へのキャリアパスなどをお話いただいて、数学の本題へと入りました。

内容は、相加平均と相乗平均を含む不等式についてというもので、事前に資料が提示されていましたが、1年生にはかなり難解なものでした。

しかし、「数学を職業とする大人」はこんなにも楽しそうに熱く語るのだ、そこは伝わったのかなと思います。

講義はN.Schaumberger(1989)による証明、H.Alzer(1996)による証明、Rado型不等式、M,Hassani(2013)の研究など数学の証明の行間をどう埋めるか、どうつなげて理解するかの説明が続きました。

まとめとして、新しい定理の証明は、大学で習う数学でなく高校数学でもできるというメッセージをいただきました。

ちなみに、数学者に必要な資質は数学への愛と勇気と体力だそうです。

「愛」はなんとなくわかりそうですが、「勇気」は生活の安定を選ぶか数学研究への愛を選ぶか選択する勇気だそうです。「体力」はもちろん考え続ける体力・胆力です。

皆さんは愛と勇気と体力を何に使いますか。

No50 数学の魅力 ー女子中高生のためにー に参加してきました

3月12日(日)に東京大学 数理科学研究科で開かれたイベントに参加してきました。

東京大学にとっても女子学生の割合が少ないというジェンダーギャップは解消すべき課題だそうです。

その課題解決に向けて、女子中高生を集めて生身の女性数学者と交流してもらい人生の選択肢を増やそうという趣旨のようです。

当日は3つの講演と少人数による交流会が行われました。

・東京海洋大学教授 中島主恵 氏
 「魚や貝殻の模様と数学」 
 魚や動物の胴体は、斑点模様で尻尾などが縞模様になっています。これは反応拡散方程式を用いて三角関数でシュミレーションできるようです。

・明治大学 客員研究員 奈良知惠 氏
 「折り紙の科学に数学でチャレンジ」
 昆虫の羽の展開やアサガオの開花の様子など折りたたまれていたものが開く際には、折り紙の考え方が利用できるようです。ロケットで運んで宇宙で広げる太陽光パネルにも活用が期待できます。

・(株)ニコン研究開発本部 数理化学技術研究所 信田萌伽 氏
 「数学と画像解析ー数学科卒業後の進路についてー」
 カメラや顕微鏡などのメーカーであるニコンでは、顕微鏡画像中の細胞の数などを測定する技術を持っているそうです。画像の画素は数値で表現できます。それを二値化という手法で処理するとコンピュータでカウントできるそうです。

昼休みの後には、少人数で大学院生などを囲んで交流会が開かれました。普段どのように数学と接しているか、大学生活のイメージなどについて語り合いました。

No49 東京大学 生産技術研究所の大学院生からアドバイスをいただきました

3月10日(金)に東京大学の工学研究科や学際情報学府から院生4人を招いて、物理部・化学部・生物部・数学同好会が取り組んでいる研究のポスターセッションを行いました。

その後、プレゼンテーションの方法や研究の進め方などについて助言をもらいました。

これらの研究は、先月に埼玉大学で行われた理科教育研究発表会で発表したものです。

今回のポスターセッションは、本校と東京大学 生産技術研究所次世代育成オフィス(ONG)が連携して取り組んでいる活動で、今年度の総仕上げにあたるものです。

探究活動のテーマ決めのパイロットスタディとして東京大学ONGと夏から連携して取り組んでおり、今回のポスターセッションで、テーマ設定から各班での研究、成果のまとめ、校外でのポスターセッションや口頭発表、振り返りと、PDCAサイクルが一回りしたことになります。

生徒たちは年齢の近い学生さんからアドバイスをいただいたり、大学での研究分野の話を聴いたりと大いに刺激を受けたようです。

完成度が低く、拙い研究成果でも発表して批評を受ける、このことにより次のテーマが見えてきます。

建設的な批評は相手を否定することではなく、指摘を受けることは自己否定では無いことを学んだようです。

No48 慶応大学医学部GSC共催 脂質の講義と和食レシピ紹介および試食

2月4日(土)、慶応大学医学部教授 井上浩義先生と東京・広尾・分とく山・総料理長 野崎洋光シェフによる食育に関するイベントを行いました。

本校生徒のほか、所沢西高校と所沢商業高校も含めて26名の生徒が参加しました。

前半の井上先生の講義は「あなたはどんな油を摂っていますか」というテーマで、脂質の種類など有機化学の学習にもつながるもので、飽和・不飽和脂肪酸やトランス脂肪酸など今後の食生活に直結する身近な講義でした。

後半の試食は「鰆の淡煮」です。

予定していた量は半人前の分量でしたが、お代わりをする生徒も多く和食のプロの手さばきと味に声を上げて感動していました。

野崎総料理長から、和食と日本の文化・慣習・言葉使いなど、広い範囲にわたるお話をいただきました。

参加した国語や家庭科、生物の教員も初耳の話が多く、一つの道を極めた方の言葉には深みがあると実感しました。

例えば、丸い器には四角いものを、四角い器には丸いものを盛り付けるとか具体的な指導もいただきました。

大事にしていることは素材を超えない、素材を生かす料理だそうです。

生活の様々な場面で応用できそうです。

No47 海外日本語教師との交流

2月1日(水)、海外で日本語を教えている教師の皆さんが、研修の一環として本校を訪問しました。

コロナ禍の影響で3年ぶりの訪問となりましたが、22か国から30名の多数の先生方にお越しいただきました。

先生方には、オープニングセレモニーの後、授業を参観してもらったり、昼休み等に生徒たちとおしゃべりをしたり、茶道部による茶道体験をしてもらったりして、たくさんの交流を行いました。

授業では、生徒と一緒になってグループワークにも取り組んでいただいて、意見交換などをしました。

様々な国の文化に触れることができて、生徒たちはとても有意義な時間を過ごすことができたと思います。

 

No46 宇宙と物理についてアクティブ・ラーニングしました

1月28日(土)に、東京大学生産技術研究所ジュニアドクター育成塾事務局と教育環境デザイン研究所CoREFプロジェクト推進部門が主催するアクティブラーニング活動に参加しました。

川口市立高校や東桜学館高校などとオンラインで結んで、宇宙の成り立ちや物理法則などを基に仮説を立てる活動です。

後半は、村山 斉(むらやま ひとし)東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構初代機構長による講義を聞きました。

村山先生は、素粒子理論におけるリーダーであり、基礎科学分野における若き指導者の一人でもあります。

難解な内容を生徒にもわかりやすく話していただきました。

その後に質疑応答です。

「宇宙は作れるのですか?」「宇宙の外側には何があるのですか?」などの質問に答えていただきました。